1日を終え、ベッドに入ってスマホをチェックするのが貴重なリラックスタイムという方も多いことと思います。
いつ寝たのかも分からないまま、翌朝スマホのアラームでハッと目が覚めるという話も特別珍しいことではありません。
しかし一方で、なかなか寝付けずいつまでもスマホを見続けてしまうという場合も少なくはありません。
これは、リラックスするためだったはずのスマホタイムが、逆に寝付きを妨げているからだと考えられます。
この記事では、なぜ寝る前のスマホが睡眠に悪影響を及ぼすのか、寝付きやすくするにはどうしたら良いのか、といった点について解説していきます。
目次
なかなか寝れない原因はスマホのブルーライト?寝付きが悪くなる3つの理由
「寝る前のスマホは良くない」と見聞きする機会は多いかと思いますが、一体スマホの何が悪いのかと疑問に思う方もいるでしょう。
寝る前のスマホが睡眠に与える影響について、有名なブルーライトをはじめとする3つの観点からお話しします。
寝る直前にスマホのブルーライトで覚醒する
まずはやはり「ブルーライト」です。なぜ光の中でも、特にブルーライトばかりがこれほどまでに取り沙汰されるのかというと、可視光線(目に見える光)の中で最も強いエネルギーを持っているからです。
紫外線(これは目には見えません)に次ぐエネルギーであると考えると、目に対する影響も想像しやすいかと思います。
強い光が目に入ると、脳は「まだ日中である」と錯覚を起こします。
すると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌は止まってしまいます。
そうなると、いくら実際には夜が更けようとも眠気はなかなかやって来ないということになるのです。
ですから、ブルーライトに限らず、寝る前に強い光を浴びること自体が推奨されません。
反対に、朝目覚めたときにはブルーライトを含んだ強い光(日光)を浴びて体内時計をリセットしましょう。
こうすることで、14時間後にメラトニンの分泌が始まるようになります。
悪者扱いされがちなブルーライトですが、寝る前に目にするのが良くないだけであって、ブルーライト自体は私たちの体内時計を調整するには必要なものなのです。
スマホから入ってくる情報により覚醒する
続いては「情報」です。目に飛び込んでくるのは光だけではありません。
一説によれば人間は周囲からの情報の8割を視覚から得ています。それだけ目からの情報量は多いのです。ですから、SNSを眺めるだけでも脳には大量の情報が流れ込み、どんどん覚醒してしまいます。
そもそも、インターネット上には消費者の興味関心を惹くために、様々な煽り文句や視覚誘導を多用した広告が溢れています。
寝る前に少しSNSの投稿をチェックするだけのつもりが、いつのまにかネットショッピングに没頭していたという経験が一度はありませんか?
そういった意味では、例え紙媒体の雑誌であっても、視覚からの刺激が多いので就寝前に眺めるのは避けた方が良いでしょう。
眠りかけてもスマホの通知により目を覚ます
最後に「通知」です。夜間はマナーモードに切り替える場合も多いかと思いますが、うつらうつらと眠りかけているタイミングで通知が来て、画面が点灯したりすると気になって目が覚めてしまいますよね。
反対に、通知が来ていないか気になって何度も目を開けてしまうというケースもあるでしょう。
マナーモード(バイブレーションも切れるなら切りましょう)にすることはもちろんのこと、視界に入らないところにスマホを置くのもひとつの手です。
その場合、アラームの音は少し大きめに設定しておくと良いかもしれませんね。
ブルーライトやスマホによる寝付きの妨げを改善する方法はある?
寝る前のスマホが、ブルーライトに限らず色々な理由で寝付きを妨げるということはお分かりいただけたでしょうか?
では次に、習慣になってしまった寝る前のスマホをやめるコツや、寝付きを良くする過ごし方について解説していきます。
就寝前はスマホやテレビなどのブルーライトを見ない
スマホに限らず、テレビもブルーライトを発するので寝る前は避けるのがベターです。でもつい手持ち無沙汰でスマホを触ってしまう、という場合は紙の書籍での読書はいかがでしょうか。
その際は部屋の照明は消すか、明るさを変えられるなら暗くします。手元だけは電球色(オレンジ系の光)の照明で照らしましょう。
オレンジ系の光はエネルギーが低く、目への刺激が少ないため、スマホと比べると睡眠を妨げにくいです。
とはいえ、それでも直接目に光が入れば十分刺激になるので、照明の位置には注意しましょう。
もちろん、完全に目を休めて音楽を聴いたり、オーディオブックで「聴く読書」というのもおすすめです。
どちらもちょっと…という場合は、親しい人とお互い寝落ちするまで通話、というのもひとつの方法ではあります。
ビデオ通話だと画面を注視してしまうので音声のみにするのがポイントです。
ブルーライトカットメガネをかける
「そうは言っても、忙しくて寝る前にしかゆっくりスマホをチェックできないし…」という方も多いですよね。その場合は、ブルーライトカットメガネを使用すると目の負担が軽減できます。
格安メガネ店でも取り扱いがあるので、気になる方は検索してみてくださいね。
すぐにはメガネを用意できない場合でも、端末側の設定で画面の照度を落としたり、色設定を変えてみるというのも良いでしょう。
スマホの機種にもよりますが、あらかじめ設定しておくと毎日同じ時間に目の負担を軽減するナイトモードに切り替わるような機能もありますよ。
ブルーライトカットフィルムという方法もありますが、画面からの光を常時カットするため、周囲が明るいとかなり見えづらいというデメリットがあります。
もしブルーライトカットフィルムを検討しているのなら、その費用をブルーライトカットメガネに充てる方がおすすめです。
寝る前のスマホを寝る前のストレッチに替える
先ほどスマホに代えて、読書や音楽鑑賞を提案しましたが、より寝付きを良くしようと思うなら軽いストレッチを習慣にするのも効果的です。
ストレッチで筋肉をほぐすことで副交感神経優位のリラックス状態になりますし、手足の血流が良くなることで、熱が体表から放散し、深部体温(身体の奥深くの体温)が緩やかに下がっていきます。
なぜ眠るときに深部体温を下げると良いのかというと、脳をクールダウンして休めるためです。
この時行うストレッチは、あくまでもリラックスするためのストレッチなので、ゆっくりと深呼吸をしながら、柔軟性を上げることを目的にせず、気持ちよく感じる程度で留めるようにしましょう。
ストレッチと併せて、38-40度程度のぬるめのお風呂に入ることも、体温を緩やかに下げ、心身を休息モードへ移行させる効果があります。
睡眠の質が上がる栄養素を摂る
寝付きをよくするために、食べ物にも意識を向けてみましょう。
例えば、牛乳やバナナ等に含まれるトリプトファンと呼ばれるアミノ酸は、「幸せホルモン」とも称されるセロトニンの合成に関与します。
このセロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料でもあるので、トリプトファンを意識的に摂取することは、メラトニンの量を増やすことに繋がるのです。
ホットミルクにして就寝前に飲めば、前の項で触れたように、一度体温が上がるので安眠効果がより得やすくなります。
また、乳製品やトマト、メロン等に含まれるGABAはストレスを軽減する効果があるため、こちらも就寝前に摂取すると安眠効果が期待できます。
ほかには、エビやホタテに含まれるグリシンにも、深部体温を下げる働きがあるので、摂取することでストレッチと同じような効果を発揮します。
しかしながら、これらを毎日夕食で全て摂取するのはなかなか難しいですから、サプリで摂取するのが効率的です。
これらの栄養素を複数組み合わせた商品も多数販売されているので、気になる方はおすすめの睡眠補助サプリに関する記事も参考にしてください。

寝付きが良くなれば普段の生活の質も上がる!
睡眠は心身の回復に欠かせないものです。
良質な睡眠がとれれば、日中の活動も効率がよくなり、生活全体の質が向上するはずです。
眠れなくなる原因として、寝る前のスマホが挙げられることは多いですが、その理由は決してブルーライトだけではありません。
ブルーライトカットだけではなく、その他の生活習慣も併せて見直し、ぐっすりと眠れる毎日に変えていきましょう!
