治 療 実 例

帯状疱疹後、発疹は消えたのに4年以上経ってもよくならない胸背部の痛み

鴨井先生による動画解説

受診までの経過

4年前から帯状疱疹後の痛みが続いていました。発疹はなく見かけ上はふつうなのですが、胸の前面から側方、背側に至るまで広い範囲で痛みが残存していました。入浴するとさらに悪化するとのことでした。ブロック注射によりチクチクする痛みはとれたのですが、疼くようなしつこい痛みが残っていました。痛み止めをもらい、リリカを150mg/日まで増量しましたがそれ以上はふらつくなどの副作用が増すばかりで痛みは改善しませんでした。

診察時の所見

左乳頭部周囲~脇下~背中にかけて広範囲に痛みがあり、圧痛も認めました。発疹は見られず、外見上はふつうの状態でした。典型的な帯状疱疹後の神経痛であり、モヤモヤ血管との因果関係は明白でしたので運動器カテーテル治療(運動器EVT)を受けていただきました。

治療の所見

この部位は肺と重なることもあり、モヤモヤ血管が画像ではっきり見えることは通常ありません。予め痛みの部位にマーキングしておいて、同部位に延びる血管をくまなく治療していきます。治療中は胸が熱くなるなどのいわゆる再現痛を感じます。複数個所に対して塞栓術を行いました。

治療後の経過

2週間後の診察時にはまったく変化がありませんでした。治療後1ヶ月になると、前胸部の痛みはほとんど無くなりました。まだ背中側の痛みが残っていましたが、さらに2週間経過(治療後1か月半)するとさらに改善し、リリカも止められるようになりました。リリカをやめてもぶり返すことはなく、順調に経過されています。帯状疱疹後神経痛は肩や膝の痛みに代表される侵害受容性疼痛と異なり、神経障害性疼痛に分類されるため、動脈塞栓術による効果があるのかと医療関係者にも驚かれますが、明確に改善がみられます。モヤモヤ血管の立場から見てみると、痛みの分類にも違った見方が出てくるのかもしれません。また、長年苦しまされていた症状がわずか1ヶ月程度で改善する経過には当初私も驚いたほどですが、長い経過だからといって必ずしも症状改善に長期間を要するというわけではありません。

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