治 療 実 例

肩に溜まった水を抜いても改善しなかった激痛。肩関節滑液包炎の症例

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

1年ほど前から右肩に痛みを感じるようになりました。過去に五十肩になったことがあるが、2ヶ月程で治ったのでその内治るだろうと思っていたのですが、なかなか痛みがひかないため整形外科を受診したところ、レントゲンでは異常なく、エコーで水が溜まっていると指摘されました。水を抜けば楽になると言われ水を抜いたところ、大変な苦痛をともないましたが、その後しばらくの間ほとんど痛みがなくなるくらい楽になりました。ところが、1ヶ月ほどすると痛みがぶり返してきて、肩の前側が腫れて、全体的な重さも感じるようになりました。痛みをこらえて水を抜いてもらってもまたぶり返すのではと心配になり、根本的な治療を希望して当院を受診されました。

診察時の所見

腕が上がらない状態で(中等度の可動域制限あり)、エコーでは、滑液包に多量の水が溜まっていました。強い炎症を反映するように、周囲に異常血流増生を旺盛にともなっていました。その他に明らかな組織損傷はみられませんでした。感染や偽痛風などの強い炎症性疾患も疑われましたが、発熱はなく、血液検査でもCRPや白血球などの炎症に関する値は正常でした。以上より、非感染性の右肩関節滑液包炎と診断しました。カテーテル治療の適応と判断し、2週間後に治療を受けていただくこととなりました。

治療の所見

右手首から細い管を挿入して肩関節に関係する血管の造影を行ったところ、それぞれ著明な濃染像を認めました(モヤモヤ血管を反映)。一時塞栓物質による動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)により、治療後は画像上速やかに消失しました。非常に強い炎症を反映して、他の肩関節周囲炎と比較して濃染像がかなり強く広範に認められました。

治療後の経過

治療翌日はかなり痛かったのですが、2日後からうそのように楽になったそうです。1週間後には腕も上がるようになり、治療後最初の受診となった3週間時点で痛みは元の1割程度となりました。なんと、この時点でエコー上溜まっていた水も完全に無くなっていました。水を抜いたわけでもないのに無くなっていたのでご本人も大変喜ばれました。その後も順調に経過し、2ヶ月時点でも完全に痛みが無くなったのを確認して終診としました。この時点でもエコーではやはり水腫はありませんでした。その後も現在に至るまで再発なく過ごしておられます。滑液包炎は五十肩や腱板炎などと比べると非常に早く良くなります。痛い思いをして水を抜かなくても自然に吸収されて無くなるので、患者さんにも大変喜ばれます。

滑液包炎の詳しい病状説明はこちら

 
 

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