治 療 実 例

治療が著効!鵞足炎を合併していた変形性膝関節症の症例

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

1年半前から特にきっかけなく、右膝が痛くなってきました。長い距離を歩くと左膝にも痛みがありました。整形外科で変形性膝関節症と診断されましたが手術適応はなく、テーピングにて様子をみられていました。整骨院や鍼灸などに通うことで腫れが少しひき楽になりましたが、立ち上がる時や歩行時、階段を昇るときなどに痛みが出るため当院を受診されました。乳がんの既往があり、抗がん剤使用後、現在もホルモン療法を継続していました。

診察時の所見

両膝の内側に圧痛のある典型的な変形性膝関節症でしたが、レントゲンおよびエコー所見からは高度の変形には至っておらず、一方で膝の内側より下方の鵞足部に強い圧痛を認めました。鵞足炎は繰り返しの膝の屈曲や内旋動作による負担で生じますが、アスリートでなくても変形性膝関節症に合併していることがあります。エコー所見では、膝の内側部に腫脹、骨棘形成、異常血流増生などの所見が認められました(関節変形に伴う所見)。レントゲンでは左右差はそれほどないわりに、エコーでは右膝にかなり強い炎症所見が認められましたが、このようにエコーではレントゲンでわからない多くの情報を教えてくれます。本症例では、変形性膝関節症に鵞足炎を合併していることで強い痛みにつながっていると考えられました。そして、それらの強い炎症は抗がん剤使用後、ホルモン療法を継続していることとも関係している可能性があります。そもそも、ほとんどの癌はモヤモヤ血管を生じやすくするのですが、抗がん剤やホルモン療法にも同様のことが言えます。これらにより、同じ負担であっても、炎症が助長されやすくなるのです。運動器カテーテル治療の適応と判断し、治療を受けていただきました。

治療の所見

内側部を中心に膝関節全体に、モヤモヤ血管を造影剤による濃染像として確認できました。
内側上膝動脈造影、内側下膝動脈造影、下行膝動脈関節枝造影を掲載しました。治療後は、画像上速やかに濃染像が消失しました。

治療後の経過

治療後2-3日で痛みは改善し、2週間後の診察時には痛みがほぼ消失していました。夜の痛みも無くなりました。走ったり正座をしたりもできるようになりました。痛みを忘れることができ、治療を受けて本当によかったと言われました。今後は再発しないようできることは何でもやりたいと言われ、早速インソールを作り膝の負担軽減に取り組まれました。その後も順調に経過し、4ヶ月時点でも痛みは出ていません。ホルモン療法は5年間継続の予定であり、今後も再発リスクがあるため引き続き慎重に診させていただいています。本症例では非常に早期に改善しました。通常の変形性膝関節症ではもう少し時間がかかることの方が多いのですが、炎症の強い鵞足炎が痛みを増強させていたため、逆にカテーテル治療後の改善が早かったものと思われます。奇異に思われるかもしれませんが、強い炎症の方が動脈塞栓術後の改善が早いというのはよく経験します。痛みが強いからといって、必ずしも時間がかかるということではないのです。

変形性膝関節症の詳しい病状説明はこちら

 
 

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