治 療 実 例

関節リウマチにより生じた全身の炎症(首・肩・手首・手の治療)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

4年前、妊娠を契機に関節リウマチを発症しました。全身に非常に強く炎症が起こり、骨に大きな変形はみられなかったものの、両肩・両肘・両手首・両膝・両足首が腫れました。抗リウマチ薬により腫れはおさまったものの、手首および左母指の痛みが残ったほか、首はいつもつまったような感じがしていました。元々20年来の首肩こりがありましたが、出産して育児をするようになってから前傾姿勢が多くなり負担が増しました。関節全体にモヤモヤ血管があるのではないかと思い当院を受診されました。

診察時の所見

関節リウマチは寛解状態にあり(メトトレキサート、アクテムラによる治療継続中)、血液検査では炎症所見は認められませんでした(白血球数正常、CRP陰性)。首肩こりは重症であり、エコーでも同部位の筋肉および周囲組織の線維化所見が認められました(エコーで白く描出されます)。肩関節には問題なく、左手関節や右母指の第一関節変形はごく軽度でしたが、炎症にともなう周囲の血流増生は著明に確認されました。レントゲンでは首・肩・股関節・膝・足関節に明らかな異常は認められませんでした。元々の首肩こりが関節リウマチという全身の炎症性疾患により助長され、リウマチによる関節の炎症とともにご本人を苦しめていたものと推察されました。モヤモヤ血管に対する治療により症状の改善が見込まれましたので、運動器カテーテル治療(運動器EVT)を受けていただきました。

治療の所見

首肩こりおよび、手関節・手指のモヤモヤ血管に対して治療を行いました。深頸動脈造影および、骨間動脈造影にて頸部・手関節のモヤモヤ血管が濃染像として描出されています。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療後の経過

治療翌日は頭が熱くなって夜寝付けなかったそうです。その後落ち着くとともに痛みが改善してきました。2ヶ月の時点ではかなり改善したとのことでした。手指や手首の痛みはほとんど改善したものの、特に右頸部を中心に首こりの症状が一部残っていました。関節リウマチになってからほとんど運動をしなくなったとのことであり、軽めのウォーキングをおすすめしました。その後、育児・家事の負担もありまだ完全にはよくなっていませんが、リウマチの治療も続けながら、よい状態を維持できています。関節リウマチは全身の炎症性疾患であるため、モヤモヤ血管が非常にできやすくなっています。治療には良く反応しますが、リウマチ自体の治療をしなければ、再発リスクは高いです。本症例では、リウマチの治療が順調であり特に関節炎の痛みはカテーテル治療後十分抑えることができています。首肩こりについては原因が異なりますのでライフスタイルの改善が必要ですが、ある程度良好に経過されています。リウマチによる痛みにはモヤモヤ血管治療は非常に有効ですが、再発予防のためには原疾患に対する加療が必要であることを改めて強調したいと思います。

関節リウマチの詳しい病状説明はこちら

 
 

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