治 療 実 例

高校生投手に生じた難治性の股関節周囲の痛み(グロインペイン症候群、鼠径部痛症候群)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

野球の強豪校でエースとして活躍していましたが、高校1年生頃から時々右股関節周囲に痛みを感じていました。3か月前に砂浜でのランニングがきっかけで痛みが増悪し、十分な投球ができず走ることもままならなくなりました。県外の有名な整体に通いましたがなかなかよくならないため当院を受診されました。

診察時の所見

恥骨結合や鼠径部に圧痛がある一方で、股関節には大きな問題がなく痛みは内腿まで及んでいるなど典型的なグロインペイン症候群でした。運動器カテーテル治療が有効と判断し治療を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行ったところ、恥骨結合周囲や内転筋近傍に一致してモヤモヤ血管が濃染像として確認されました。患部および周囲の硬くなり柔軟性が低下していると思われる筋肉・筋付着部にも効かせるように治療を行いました。治療後、モヤモヤ血管は画像上速やかに消失しました。

治療後の経過

治療後10日くらいから改善してきました。以前は足を着地しただけでも痛かったのがよくなりました。しかし、まだ着地後捻じると痛みがありました。局所注射を追加していき、起床時の痛みもなくなりました。徐々に痛みの範囲が狭くなり、1ヶ月時点では7割くらいの力で投球が、5割くらいでランニングができるようになりました。しかし、7-8割でのランニングを繰り返すと痛みが再燃することから体を休めていただくよう指示しました。大会が迫っており焦っておられたのですが、病気の性質上一定の休養が必要であることをご理解いただきました。治療後3ヶ月を過ぎるころからかなり改善してきて、全力でのダッシュや10割の力で投球ができるようになりました。野球も続けておられます。目標の大会への出場には間に合わず気を落としておられましたが、まだまだこれから長い人生ですからしっかり完治させてまたエースとして活躍していただきたいと思います。大学進学後のさらなる活躍を期待しています。
グロインペイン症候群は決して軽い病気ではありません。スポーツ選手、特にサッカー選手がこの痛みに苦しみ引退を余儀なくされることすらあります。元日本代表の長谷部誠選手、中村俊輔氏、中山雅史氏、中田英寿氏、元フランス代表MFジネディーヌ・ジダン氏らが苦しんできたことは有名です。一定期間の安静療養ならびに段階的な復帰、再発予防のための股関節周囲の柔軟性の改善、筋力強化、キックなどの動作の適正化などが重要です。運動器カテーテル治療は痛みを改善し、復帰までの期間を大幅に短縮することが可能で再発予防も期待できる治療ですのでお悩みの方はご検討いただくとよいと思います(炎症を鎮めるのみならず、血行を改善し筋肉の柔軟性改善も期待できます)。

グロインペイン症候群/鼠径部痛症候群の詳しい病状説明はこちら

 
 

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