治 療 実 例

驚愕!モヤモヤ血管治療で痛みだけでなく石まで消えた⁉ 石灰沈着性腱板炎の症例

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

4年前から右肩に違和感がありましたが特に支障はありませんでした。2年前に学生時代にやっていたバレーボールを始めると、時々肩に激痛が走ることがありました。痛みは一時的であり、バレーボールはストレス発散にもなる何よりの楽しみだったので続けていました。1週間前から夜間に肩の鈍い痛みが出てきました。痛み止めでしのいでいましたが、徐々に悪化しズキズキと激痛になってきたため整形外科を受診しました。レントゲンで石灰沈着性腱板炎と診断され注射を受けました。注射はものすごく痛かったのですが、痛みはあまり変わらず腕も上がらなくなってきました。楽しみであるバレーボールがもうできなくなるのではないか不安も募り、当院にご相談されました。

診察時の所見

明らかに外見上腫れていたほか、外転 15度、外旋 15度、結帯動作不可(後ろに手を回した際、お尻に何とか手が届く程度)という非常に高度の可動域制限をともなっていました。
レントゲンでは粗大な石灰を上腕骨大結節の上方に、エコーでは棘上筋腱に一致して石灰および周囲の異常血流増生を認めました(写真⑨)。石灰があるだけでは陳旧性のものである可能性がありますが、炎症を反映した血流信号の増強が確認されましたので、その他の所見と併せて石灰沈着性腱板炎で間違いないと判断いたしました。非常に強い炎症をともなっていたので相当辛い状態というのは瞬時に伝わってきました。注射も効かないはずですね。微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療、運動器EVT)の適応と判断し治療を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行うと、五十肩の所見とは異なり、石灰部周囲に一致して濃染像(モヤモヤ血管)が特に集中して認められました。治療後は画像上速やかに消失しました。石灰沈着性腱板炎の場合、強い炎症を反映して、五十肩よりもモヤモヤ血管が多く描出されることが多いです。

治療後の経過

治療後2週間、安静時のズキズキする痛みは改善し、痛くみで目が覚めることはなくなりました。1週間くらいで外転90度(腕を水平に伸ばした位置)まで腕が上がるようになったそうです。エコーでは石灰はあるものの血流信号は少しおとなしくなりました。治療後も観察されるのはしつこく残っているものが映っている可能性もありますが、モヤモヤ血管が大幅に減ったことで修復のための正常な血流信号が増強されて映っているのはないかと考えられます。治療後1ヶ月、痛みは大幅に改善し、なんと可動域は反対の肩と変わらないくらい完全に戻りました。日常生活の支障はなくなり重い物を持つこともできるようになりました。エコーではまだ大きな石が確認されたものの異常血流信号は消失していました。治療後7週間で痛みは完全に消失していて、レントゲンでも大幅に石灰が減っていました。このような短期間で、医療関係者でなくてもはっきりとわかるくらい減っているのは驚愕です。3次元でわかるように撮影していますのでぜひ動画でご確認ください。その後も良好に経過され、治療後3ヶ月の再診時にも痛みはなく、バレーボールや仕事(介護職)を再開できていました。エコーでは大幅に石灰が減少し、レントゲンでも残り僅かとなっていました。この分だと完全に石がなくなってくれるかもしれません。石が残っていてもそう悪さをするわけではないのですが、やはり異物ですから無くなってくれるにこしたことはありません。既存の医療で石を減らす治療としては、注射針での破砕・吸引、体外衝撃波治療、シメチジンの内服などが試みられていますが、痛みを伴ったり無効であることも少なくありません。モヤモヤ血管の治療をすることで痛みだけでなく愛護的に石まで減らすことができたのは素晴らしいことだと思います。全体の症例の何割くらいでこのような劇的な変化が起こるのかまだまだデータを蓄積していく必要はありますが、これまでの治療とは全く違うメカニズムで働く強力な治療であることの一つの証左ではないかと考えられます。

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