治 療 実 例
半年前に脛の打撲をきっかけに右下腿蜂窩織炎を発症しました。直ちに病院を受診し、抗生剤治療にて改善しましたが、その後も一部の腫れが残っており時々痛みを感じるとのことでご相談いただきました。
患部に一定の圧痛があるほか、エコー検査では脛骨粗面外側に異常血流増生を認めました。膝関節の変形は年齢相応であり、関節における明らかな炎症所見は認められませんでした。
前脛骨反回動脈造影において、患部に一致してモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。
治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管 治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療翌日から症状が改善し、2週間後の診察時には完全に痛みが消失していました。半年以上続いたしつこい痛みがあっけなく消えて大変驚かれました。感染時には激しい免疫反応が起きるため、モヤモヤ血管がたくさん増えます。微細動脈塞栓術(カテーテル治療)により、それらを選択的に直接大幅に間引く治療は、正に理にかなった治療と言えるでしょう。不良組織が残存してしまっている場合はすべての症状をとることは難しいですが、何らかの感染症後の症状でお悩みの方はご検討いただくとよいと思います。
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