治 療 実 例

【30代:男性】ジョギング中に受傷後、10年間抱え続けた膝の疼くような違和感(非特異的な大腿~膝の疼痛、古傷の痛み)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

10年前にジョギング中に右膝を痛めました。事前にストレッチなどをせずに1kmほど走った時点で急に膝周り全体が熱くなったように感じ、膝が曲がらなくなり、その場でびっこを引いて歩くことを余儀なくされました。2週間程度は曲げられない状態が続きましたが、その後徐々に改善し曲げられるようになりました。しかしながら、その後長期間たった今も、膝蓋骨の内側上方に軽く疼くような痛みが残り続けていました。疼くような違和感は常にあり、ランニングをするとそれが増悪し、激烈な痛みではないが筋肉などに軽い炎症が起きているかのように感じていました。長時間歩いた場合にも症状が増悪し、膝裏やすねの外側などにも違和感が生じていました。膝蓋骨が安定するようにサポーターを付けると違和感が緩和されるため日常的に使用していました。一方、日常生活では支障がないため、整体・鍼治療・セルフマッサージ等でしのいでいました。痛みの範囲は比較的限局されてきた一方で、違和感や痛みの程度は悪化してきており、サポーターを常に装着しなければならないため、根本的な治療を希望して当院を受診されました。

診察時の所見

膝関節周囲に一切の圧痛はなく、各種負荷テストも異常はありませんでした。エコー検査では内側上部骨表層部の不整像を認めるのみで特段の異常所見は認められませんでした。10年以上前の受傷がきっかけであり、肉離れ後の後遺症、靭帯損傷後の後遺症状などが考えられましたが、明らかな損傷や炎症所見は認められない状態でした。日常生活では全く支障がないという方の中には画像所見や身体診察でも全く異常がみられないということがあります。しかし、ご本人ははっきりと再現性のある限局性の痛みを感じており、そのきっかけは10年前のジョギング中の受傷でした。他に治療方法がない中で当院の微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)をご検討いただいたわけですが、痛みの性状、成因からは適応が考えられるものの、当院としても治療効果を保証できるような状態ではなかったため、無効である可能性があることを十分ご理解いただいたうえで、強いご希望に応じて治療を行いました。

治療の所見

血管造影を行うと、予想以上にモヤモヤ血管が広い範囲で描出されました。しかしながら、その分布としては、変形性膝関節症などで典型的にみられるような膝関節の炎症に関係した血管では比較的軽度にとどまっていて、主として筋肉枝に豊富に認められました。

治療後の経過

治療後1か月、元々抱えていたような『うじうじした感覚』が半減しました。治療直後から何となく良い感じはしましたが、1週間くらいからよりはっきりしてきたそうです。膝蓋骨の下の部位はだいぶ楽になりました。治療後3か月、さらにもやもやしていた感覚などが改善しました。元の症状の7割は改善し、その後ハイドロリリース注射などを追加することで、8-9割方の症状を改善することができました。結果的に、治療を受けて良かったと非常に満足していただきましたが、ご本人としては、当初治療を受けるかどうか非常に悩まれていました。最終的に、『観察される診察所見が軽いため、モヤモヤ血管が膝に抱える問題の直接的な原因か否かは確認できないが、カテーテル治療により改善する可能性はある。治療を受けることで膝に多かれ少なかれ存在するモヤモヤ血管を減らすことはできるため、費用面やカテーテル治療に抵抗がなければ治療を受けない理由はない』という理解でよいですか?など重々確認されたうえで治療をお受けになられました。良い結果が得られて本当に良かったと思います。この症例のように、皆様がお悩みになられている症状は、医療機関にとってわかりやすい、はっきりと診断のつく病気ばかりではありません。少しでも多くの方々の参考にしていただければと思い掲載させていたただきました。

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