治 療 実 例
7年前から関節リウマチで内科通院していましたが、右手首の痛みと腫れ、握力低下などもみられるようになり当院を受診されました。
関節リウマチの診断は明らかでしたが、右手関節に明瞭な圧痛も認められました。関節リウマチによる関節炎にはモヤモヤ血管が強く関与していますので、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。
前腕~手首には親指側の橈骨動脈、小指側の尺骨動脈、その中間に位置する骨間動脈という主として3本の太い血管がありますが、特に手関節の痛みには骨間動脈が関与していることが多いです。本症例でも骨間動脈においてモヤモヤ血管(病的新生血管を反映)が造影剤の濃染像として多量に描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。
治療後2週間、手首の腫れがひき、雑巾もしぼれるようになりかなり楽になりました。治療後1か月半、痛みなく経過しており握力も回復していました。関節リウマチは血管炎であり、モヤモヤ血管ができやすい疾患の一つですので、本質的に微細動脈塞栓術(カテーテル治療)は非常に有効です。本症例でも強い炎症を反映して多数のモヤモヤ血管が確認され、治療により非常に早期から症状が改善しました。炎症が強いと重症のように思われるかもしれませんが、治療後の改善効果は早くから実感できることが多いです。しかしながら、今後の再発予防のためには関節リウマチの治療継続が重要です。
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