令和の痛み治療【間質性膀胱炎】
間質性膀胱炎(Interstitial Cystitis、IC)は、膀胱内壁に炎症が生じる疾患で、尿意や頻尿、腰痛などの症状が現れます。一般的に、女性に多く、年齢が上がるにつれて発症率が高くなる傾向があります。ICは、まだ原因が不明な点が多く、治療法も限られているため、患者さんにとっては深刻な問題となっています。本稿では、ICについて、原因や症状、診断方法、治療法などについて解説します。
【原因】 ICの原因は、まだ明確には解明されていませんが、以下のような要因が関係しているとされています。 免疫異常 ICは、免疫異常が原因のひとつとされています。膀胱壁に異常な細胞が集積し、炎症を引き起こすと考えられています。 神経異常 膀胱内の神経に異常がある場合、膀胱の収縮や弛緩が正常に行われなくなり、ICの原因となると考えられています。 環境要因 化学物質や放射線、細菌など、様々な環境要因がICの原因となる可能性があるとされています。 ホルモンバランスの変化 女性ホルモンのバランスが崩れると、ICの発症リスクが高まるとされています。
【症状】 ICの症状は、以下のようなものが挙げられます。 尿意や頻尿 膀胱内が炎症を起こすことで、膀胱が圧迫され、尿意や頻尿を引き起こします。 腰痛や腹痛 膀胱に炎症が起こることで、腰痛や腹痛を引き起こすことがあります。 性交痛 膀胱に炎症が起こっている場合、性交時に痛みを感じることがあります。 血尿 ICによって膀胱内壁が傷つくことで、血尿が出ることがあります。 その他の症状 ICは、個人差があるため、尿の色が変わる、尿に不快な臭いがする、疲れやすい、食欲が低下するなどの症状を引き起こす場合があります。
【診断方法】 ICの診断には、以下のような方法があります。 尿検査 ICの診断には、まず尿検査が行われます。尿検査では、膀胱内に細菌がいないことを確認します。 シスタスコピー シスタスコピーは、膀胱内を観察する検査方法です。膀胱内壁に炎症が生じているかどうかを確認します。 膀胱内圧測定 膀胱内圧測定は、膀胱の圧力を測定する検査方法です。膀胱内圧が高い場合、ICの可能性があるとされています。 その他の検査 CTやMRIなどの画像診断検査、細菌培養などの検査も行われることがあります。
【治療法】 ICの治療法は、以下のようなものがあります。 薬物療法 炎症を抑えるための薬物や、痛みを和らげるための鎮痛剤などが使われます。 膀胱訓練法 膀胱の収縮を正常化するために、膀胱訓練法が行われることがあります。 栄養療法 ICによって悪化する食品を避けることや、栄養バランスを整えるための食事指導が行われることがあります。 オプション療法 鍼灸、漢方薬、リラクゼーション法などのオプション療法が行われることもあります。
ICは、原因不明で治療法も限られているため、完治に至ることは難しい病気です。しかし、症状を緩和することで、生活の質を向上させることができます。医師と相談しながら、自分に合った治療法を選ぶようにしましょう。
上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。
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