令和の痛み治療【腱板疾患】

腱板とは何ですか?

肩関節を覆っている筋肉と骨のつなぎ目を腱板といいます。肩の腱板を4つ存在し、腕が体から離れていかないように、上腕骨を肩関節に引き付けておく重要な役割を果たしています。また、これにより腕の上げ下げなどがスムーズに行うことが可能となります。

腱板断裂の原因は何ですか?

利き手側に多く、重労働者やオーバーヘッドスポーツ(野球・バレーボール等 )愛好家に多くみられます。手をついたり、無理な動きをするなどの他、喫煙歴なども原因と言われていますが、実は加齢による変化でも断裂します。日本の住民健診による疫学調査では、50歳代で約10%、80歳代では30%以上に腱板断裂が存在したとの報告があります。

どんな検査でわかりますか?

レントゲンで異常が見つかる場合もありますが、正常と診断され五十肩と誤診される場合も多いです。MRIでは確実な診断が可能ですが、医療コストの問題から全例では推奨されませんし、MRI撮影時の固定姿勢のために痛みが増悪した方もおられます。最近では手軽に行うことができるエコーが注目されています。エコーで大部分は判断が可能ですので、運動器エコーをしてくれる医療機関にご相談されるとよいでしょう。

腱板が切れるとどうなりますか?

60%の方は無症状です。切れたからと言って痛いわけではありません。炎症を伴う場合、激しい痛みを生じます。夜間痛が生じることもあります。断裂部位により、様々な筋力低下をきたし可動域制限も生じます。五十肩ほどの強い可動域制限は見られない場合が多いです。また、自分では動かせなくても他人に動かしてもらうと動くといったことでも鑑別が可能です。

腱板断裂の治療は?

まずは、注射やリハビリなどの保存的治療を行い、それでも改善がなければ年齢・職業・趣味活動などを考慮したうえで手術について検討されます。筋変性が強かったり(腱がペラペラになったり、脂肪組織に変化していたりなど)日常生活で困っていなければ手術をしないことが多いです。自然にくっつくことはありませんが、痛みがとれて日常生活に支障をきたさなければ問題ありません。最近では、痛みを長引かせている原因と考えられている異常血管に対する治療が注目されています。ご興味のある方はこちらをご参照ください。

手術について教えてください。

腱板修復術が第一選択で、最近では関節鏡による手術が一般的です。一時修復が困難な場合、断裂部部分修復術、太ももの筋膜を用いて被覆する大腿筋膜パッチ法、上方関節包再建術、高齢者に対する反転型人工肩関節置換術などが選択肢となります。

関連記事一覧

 
PAGE TOP