令和の痛み治療【椎間関節炎】

椎間関節とは何ですか?

人間の背骨は頚椎・胸椎・腰椎に分けることができます。腰椎の上下の骨は椎間板と左右の椎間関節と呼ばれる関節によって連結されています。上下の腰椎の間には神経根と呼ばれる神経が通っています。腰椎の間を通っているこの神経が下肢まで伸びて筋肉を動かしたり、感覚を伝えたりしています。上下の骨が面している部分には、関節軟骨があり骨同士がぶつからないようにクッションの役割を果たしてくれています。椎間関節の周囲は関節包と呼ばれるコラーゲン線維の袋によって覆われています。この関節包の内側からは、滑液と呼ばれる潤滑油が分泌され、関節の動きを滑らかにしてくれています。身体の運動は関節で起こります。例えば、膝の曲げ伸ばしは膝関節が動くことで起こりますし、腕の上下は肩関節が動くことで可能となります。腰椎の椎間関節は腰の動きを作っている部分と言えます。

椎間関節症とは何ですか?

椎間関節に過度な力が加わったり、椎間板の変性、脊椎の圧迫骨折、分離すべり症、脊椎手術などで脊椎の不安定さが生じると、椎間関節の変性が生じます。機械的刺激や炎症により、椎間関節周囲の知覚神経が興奮し、痛みが生じます。これを椎間関節症といいます。

頸椎の椎間関節症はどういった症状が出るのですか?

頚椎椎間関節症であれば首の動きにより痛みが出ます。 首を動かすことで椎間板や椎間関節に負担をかけ、痛めている椎間関節と関連する部位にビリっとするような電撃痛が走ったりします。

1.頸部を動かした時の痛み、関節可動域の制限がでている
2.首や肩の痛み・コリ以外の症状がない
3.変形性頚椎症がある
以上の3点があれば病院での診断は頚椎椎間関節症となる可能性が高くなります。

頚椎椎間関節症の患者の多くは症状がどうしようもないほどの痛みなどではないため、病院に行かれる方は少なく、また、病院でもはっきりとした治療法もないために痛み止めの薬と湿布などで様子をみながら自然治癒を期待されている方がほとんどです。しかし、「頚椎椎間関節症」の痛みは、椎間関節に過剰な負担がかかって出ているものなので、椎間関節への負担を軽減させてあげれば痛みを解消することは可能です。

胸椎の椎間関節はどういった症状が出るのですか?

体幹のちょっとした動きで痛みが生じる場合があります。関連痛として、肩、肩甲骨周囲、腰骨の周囲など椎間関節から離れた部位に痛みが生じる場合があります。背中の痛みがあって、局所の治療をしてもなかなか治らない時は、椎間関節症を疑って治療をする必要があります。

腰椎の椎間関節症はどういった症状が出るのですか?

腰椎に急激な力が加わって発症する、いわゆる「ぎっくり腰」の原因の一つに椎間関節症があります。急性期は体を動かす事も困難なほどの腰痛が生じる場合があります。また、慢性の腰痛も椎間関節の変形が原因の場合があります。腰椎椎間関節症の主な症状は、「腰を後ろに反らすと痛い」「脊椎の近くに圧痛点がある」「痛みの範囲は神経の走行と一致しない」「運動で痛みが増強する」などです。お尻やふとももに関連痛が生じる事があります。椎間板ヘルニアと異なり、足の痺れは少ないとされていますが、椎間関節症がひどくなると側弯が生じ、足の痺れが生じる事があります。

椎間関節症の診断はどのように行いますか?

X線検査、MRIやCT検査で椎間関節の硬化像、狭小化、骨棘を認める事がありますが、臨床症状とは必ずしも一致しません。つまり、関節の変形が小さくても強い痛みが生じたり、逆に変形が大きくても症状が無かったりします。一番の診断は椎間関節ブロックです。椎間関節ブロックで効果を認めると椎間関節症の可能性が高くなります。

椎間関節症の治療はどういったものがありますか?

急性期(ぎっくり腰など)には数日間だけ安静に過ごします。椎間関節ブロックや非ステロイド性鎮痛薬、筋弛緩薬などを用いて痛みを和らげながら、少しずつ体を動かしていきます。椎間関節ブロックはX線透視下で行うと成功率が上がりますが、施行可能な施設が限られる上、X線の被ばくのリスクがあります。一方、エコーでも椎間関節を見つける事ができ、外来で繰り返し行う事ができます。

椎間関節症を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

モヤモヤ血管

肩・腕・肘・手

腰臀部股関節

 
 

 
 

その他

 
 
 
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