令和の痛み治療【痛風】

痛風はどうして起こるのか?

尿酸は、動物の内臓や魚の卵などの細胞の核内に多く含まれるプリン体という物質から肝臓内で老廃物として作られます。作られた尿酸は血液中に溶け、腎臓から尿中に排出され、残りは腸で分解されます。尿酸の合成が多くなり過ぎたり、腎臓での排出が低下すると血液中の尿酸値が上がります。血液検査で尿酸値が7.0mg/dl以上で痛みのないものも高尿酸血症と言います。この高尿酸血症が続いた後、ある日突然、片方の足の親指のつけ根に強い痛みが出ます。これを痛風発作と言い、この状態を痛風と言います。痛風発作は関節にたまった尿酸の結晶を白血球が攻撃して起ります。足の親指のつけ根に起るものが多く、次いで膝、足、手、指の関節に起ります。関節は赤く腫れ、安静時でも、夜間でも、耐えがたい強い痛みです。

痛風への治療法は?

痛風発作の前兆として、関節がうずく様な症状の時にコルヒチン錠を使うと痛風発作をおさえる事ができます。疼痛が出た場合は非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)を服用します。だいたい数日間で痛みは消えます。痛みが消えたからといって、痛風が治った訳ではありません。痛風発作の原因である尿酸値を正常値範囲に抑えておかなければ、発作を繰り返し、様々な内臓障害がでてきます。尿酸値を下げる薬物療法は、痛風発作がおさまってから開始します。3~6ヶ月かけてゆっくり尿酸値を下げ、4.6~6.6mg/dlを目標値とします。薬は大きく分けて2つあります。一つは尿酸の合成が多くなりすぎたタイプに対して尿酸を作りにくくする薬(ザイロリックなど)、もう一つは腎臓からの尿酸の排出が低下するタイプに尿酸の排泄を良くする薬(ユリノームなど)を使います。結局、痛風の治療は尿酸値を4.6~6.6mg/dlにコントロールすることですから、これらの薬は痛風発作の有無にかかわらず検査結果によって飲み続ける必要があります。

痛風の診断で薬をもらったのですが、痛みが止まりません。

痛風の発作中に尿酸をコントロールする薬を服用すると発作が長引いて痛みが止まらなくなることがあります。その場合はとにかく鎮痛剤で痛みを止めた後で、改めて尿酸をコントロールする必要があります。また、痛風とよく似た他の病気の可能性もありますので、一度痛風の専門医の診察をお受け下さい。

ビールだけ控えてれば大丈夫ですか?

尿酸値はアルコールそのものでも上がります。またプリン体ゼロのビールに変えてもアルコール自体で尿酸値が上がります。アルコールの中でも比較的ワインが尿酸値を上げにくいと言われております。

痛くなる部分は親指部付け根ではないのですか?

痛風の急性関節炎(発作)は、母趾の付け根が最も頻度が高いのですが、その他の足趾や足関節、膝関節も好発部位です。ご指摘の足の甲に関節炎を起こすケースもかなり見受けられます。

血液検査値が痛みがあるぐらい高くても急激に尿酸値が4.5程度まで低下するのでしょうか?

痛風は、長年の高尿酸血症により関節内に析出した尿酸塩結晶が原因となって起きる急性関節炎です。ですから、血液中の尿酸値が一時的に低下しても、痛風発作が起きてもおかしくありません。また、血液中の尿酸値は、かなり変動しやすく、尿酸値が数日で半減する事も稀ではありません。関節内の尿酸塩結晶が消失するには、血液中の尿酸値を5~6にコントロールしても、半年ほどはかかります。その期間は、血液中の尿酸値が低値でも痛風発作が起こることにご注意下さい。

他の病気の可能性がありますでしょうか。

実際に診察や検査をしなければ診断をすることは困難ですが、高尿酸血症が証明され、誘因のない突然の急性関節炎であれば、痛風の可能性が高いと思います。痛風は、気長に高尿酸血症をコントロールする事が必要です。主治医の先生と良くご相談しながら、治療を継続してください。

痛風は遺伝するものですか?

必ず遺伝するというものではありませんが、高尿酸血症になりやすい体質は遺伝すると言われています。

痛風を早く治すにはどうしたらいいですか?

近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

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