令和の痛み治療【臼蓋形成不全症】

臼蓋形成不全とは?

わかりやすく言いますと「骨盤側の臼蓋という部分=屋根の部分が発育不全(形成不全)である」と言えます。本来あるべき屋根が足りないと言い換えるとわかりやすくなるかもしれません。以前は先天性と言われていましたが、現在では、胎児期の肢位や姿勢、幼少期の発育の過程で関節の凹みが浅くなってしまうことがあると考えられています。その結果、大腿骨頭が外側にはみだしてしまい、体重を支える面が小さくなることで関節の軟骨が摩耗しやすくなり、炎症を起こして股関節痛を生じます。変形性股関節症へ移行することがあります。

臼蓋形成不全の症状

臼蓋形成不全は、幼少期の股関節脱臼の治療経験や親御さんからの指摘がない限り、自覚的にその存在に気が付くことは稀です。ほとんどの方が、股関節痛を抱え、整形外科でレントゲンを撮って初めてその異常に気付き、驚かされることが多いようです。 特に、小さい頃から姿勢や歩き方の注意を受けてきた方、内股傾向や床での座り方に特徴や癖がある方では、臼蓋形成不全の存在が強く疑われます。

臼蓋形成不全症の原因

体重の数倍の力がかかる関節ですから、骨頭をうける臼蓋の面積が狭いと、その狭い接触面に集中的に力が加わることになります。実際に骨頭が、80~90%程度の臼蓋で覆われていることが良好なバランスとされています。思春期による活動量の増加、あるいは出産を機に体重の増加など種々の要因による過剰な負荷により関節軟骨は少しずつ傷むこととなり、その結果、軟骨に傷がついてすり減ったり、変形を起こしたりして、変形性股関節症を引き起こしやすくなり、いろいろな障害も認めてきます。臼蓋形成不全症があっても、若年層では軟骨の厚みは保たれていますが、少しずつ軟骨の変性は始まり、変形性股関節症を将来的に発症しうると予測されます。

臼蓋形成不全の治療について

臼蓋形成不全があっても若いうちは軟骨の厚みは保たれていて、症状はほとんど出現しません。 しかし、軟骨の変性は少しずつ始まっていることが多く、将来的に発生しうる変形性股関節症の初期と考えることができます。 従って、臼蓋形成不全の治療は、症状の軽微な初期段階では変形性股関節症への進行予防が目的となり、既に変形性股関節症に移行してしまった場合は、さらなる進行予防と変形性股関節症に対する治療(人工股関節置換術など)を行うことになります。変形性股関節症への進行予防の第一は、股関節周囲筋の筋力トレーニングです。 臼蓋形成不全では股関節の安定性が低下するため、これを補えるのは筋力しかありません。 一方、程度の強い臼蓋形成不全は比較的早期に変形性股関節症に移行しうるため、臼蓋を大きくする手術を行う場合もあります。

臼蓋形成不全の予防

臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)は変形性股関節症の主な要因の一つです。臼蓋形成不全の発生には後天的な要素も大きく影響するため予防が重要ですが、股関節の骨の成長が終了する15歳位までの生活環境が、骨の発育に大きく関わると報告されています。前述のような特徴的な姿勢や歩き方が癖にならないよう、幼少期からの家庭教育が極めて重要です。

臼蓋形成不全症でやってはいけないこと

臼蓋形成不全症の場合、やってはいけないことがいくつかあります。まず体重を増やさないように注意しなくてはいけません。股関節は動作によって体重の数倍の力がかかる関節ですから、骨頭を受ける臼蓋のかぶりが浅く、面積が狭いと、その狭い点のような接触面に集中的に力が加わるからです。体重が適正であれば、その分股関節に余計な負荷がかからず、症状があらわれにくくなります。また、ハイヒールを履くこともやってはいけないことの1つです。ハイヒールは、脚に適度な筋肉がついていないと、股関節に負荷をかけてしまいます。女性がハイヒールを履き始める20代から症状がではじめ、痛みを感じる人は多いです。その他、股関節に負荷がなるべくかからないよう、重い荷物を持つこともなるべく避けるようにしましょう。

痛みがあるのに外科手術適応外症例と言われたら。

近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

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