令和の痛み治療【インピンジメント症候群】

インピンジメント症候群とはなんですか?

野球肩の原因の中で多いのが「インピンジメント症候群」です。
“インピンジ”という言葉は”衝突“、症候群というのは病名と考えると、「衝突病」ということになります。投球フェーズのレイトコッキング期で、肩が最大に外旋した位置(肘が頭の後方に来るトップの位置)からボールを加速してリリースし、フォロースルーまでの間に肩は最大外旋から急激に内旋されます。肩の開きが早かったり、肘が下がって肩にあそびができぶれると、肩関節の前方に大きな力が加わります。前方に大きな力がかかると腕の骨(上腕骨頭)が屋根の骨(肩峰)に衝突し、その間にある腱や滑液包が炎症を起こしたり、損傷が起きます。ボールを投げすぎると腱板は疲労し肩を支える力が弱くなり、肩がぶれてインピンジ(衝突)を起こしやすくなります。特にピッチャーやキャッチャーはボールを投げる機会が多いため、インピンジメント症候群になりやすい傾向にあります。

インピンジメント症候群の症状はどのようなものですか?

悪化するとこわばりや筋力低下なども伴い、夜間痛を訴えることもあります。肩を挙上するとき、あるいは挙上した位置から下ろしてくるとき、ほぼ60-120°の間で特に強い痛みを感じることがあり、有痛弧徴候(ペインフルアーク)といわれます。骨形態の個人差として肩峰がもともと下方に突出している場合や加齢変化として肩峰下に骨棘ができた場合のほか、投球動作など腕をよく使うスポーツ選手にも発症します。

インピンジメント症候群の治療はどのように行いますか?

超音波ガイド下でヒアルロン酸の注射療法や姿勢指導、棒体操指導等を行い、リハビリテーションで上腕骨や肩甲骨の動き、体幹・姿勢指導を中心に症状の改善を図ります。リハビリテーションや注射療法で効果がなければ手術療法を考慮することが多いです。

インピンジメント症候群を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

整体で治るものでしょうか?

整体やカイロプラクティックはおすすめはしません。理由は「症状の軽減はあるかもしれないが、症状を悪化させてしまう方も多い」からです。実は整体師やカイロプラクターと名乗る人たちが持っている資格は3ヶ月程度の受講でとれてしまう民間資格なのです。日本では、柔道整復師や鍼灸師、マッサージ師といった資格は国が指定する学校へ3年間ほぼ毎日通い国家試験に受かったものしか名乗れません。解剖生理などの知識が一定以上なければ危険であると国が判断しているということです。誰でも簡単に名乗れてしまうだけに、技術のレベルにとてもムラがあるのは想像がつくと思います。以上のことを踏まえると、カイロプラクティックや整体といったものを安易に選ぶのは少し考えものです。

インピンジメント症候群の予防方法はありますか?

腱板の筋力トレーニングや肩甲骨を固定する筋肉を鍛えると良いでしょう。インピンジメント症候群を予防するには、上腕骨大結節部の衝突による炎症を予防する事が必要です。
・肩甲骨を固定する筋肉の柔軟性回復と支持力強化
・肩関節の可動域のキープ
・腱板の筋力トレーニング
・過剰に上腕骨大結節を衝突させない、その動作を避ける
・投球動作など運動後にはアイシング・休息をさせる

モヤモヤ血管

肩・腕・肘・手

腰臀部股関節

 
 

 
 

その他

 
 
 
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