令和の痛み治療【筋膜性疼痛症候群】

筋膜性疼痛症候群とは?

筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい とうつうしょうこうぐん、Myofascial Pain Syndrome:MPS)は、筋膜Myofasciaの異常が、原因となって痛みやしびれを引き起こす病気です。
通常、我々が急激に重い物を持ったり、無理な姿勢等により繰り返し筋肉に負荷をかけると筋膜が過負荷状態になります。fasciaの過負荷はいわゆる筋肉痛として生じ、数日程度で自己回復をします。しかし、さらに、繰り返し筋肉に負荷を与えたり、寒冷にさらされたりして血行の悪い状態が続くと、異常な筋膜が短期間で自己回復できなくなります。この状態が筋膜性疼痛症候群(MPS)になった状態です。
筋膜性疼痛症候群(MPS)では一般的な筋肉痛とは異なり、痛みやしびれの強さが相当激しいものになり、更に痛みやしびれの範囲が広範囲に発生します。

筋膜性疼痛症候群の症状は?

この病気は全身のあらゆる筋膜の異常で起きる可能性があります。ただし、筋膜性疼痛症候群(MPS)の場合は、全身で同時に痛み、しびれが発生することは基本的には無く、片肩、首、腰、片足など特定の部位、若しくはその複数の部位の組み合わせで発生をします。また、異常な筋膜の場所によっては、広い範囲で痛み、しびれを感じます。また、痛み、しびれを感じる部位が、時間の経過と共に移動する事があるのも、この病気の特徴の一つです。

筋膜性疼痛症候群の原因は?

筋膜性疼痛症候群(MPS)になる原因は複数あると考えられています。重いものを持ったり、長時間の同じ姿勢、筋肉に負担のかかる姿勢などによる筋膜のへの過負荷が大きな原因です。一般的に筋膜に対する過負荷は本人が自覚できる場合とできない場合がありますので、自覚できるきっかけの有無がこの病気であるかどうかの判断には必ずしも繋がりません。筋膜への過負荷に加えて、貧血、カルシウム・カリウム・鉄分、ビタミンC/B-1/B-6/B-12不足なども筋膜性疼痛症候群発症(MPS)の一つの要素になっていると考えられています。

筋膜性疼痛症候群の診断方法は?

筋膜性疼痛症候群(MPS)であるかどうかの診断は、筋膜性疼痛症候群(MPS)の存在自体が日本ではほとんど知られていなく、レントゲン、MRI、血液検査など一般的に行われる検査では目で見える結果として現れないため、一般の医療機関では診断、治療が困難です。
また、同様の理由により、筋膜性疼痛症候群(MPS)が椎間板ヘルニアなど脊椎関係の異常や神経根を圧迫して発生している痛みと間違われる事もあります。
筋膜性疼痛症候群(MPS)であるかどうかを知るためには、筋膜性疼痛症候群の診断、治療を行っている医療機関で診断をしてもらう事が必要です。筋膜性疼痛症候群(MPS)では、異常なfasciaの部位に物理的に力を加えると、そこから痛みが広がるような点が見つかります(トリガーポイント、発痛点と呼びます)。尚、エコーだけで診断することはできません。あくまで問診・痛みを出す動作・エコーによる評価を十分に組み合わせて診断していきます。
筋膜性疼痛症候群(MPS)では、異常な筋膜の部位の血流が悪くなり痛みが発生しますので、痛みが発生している付近に血流の悪さによる、軽い「むくみ」が発生する場合があります。例えば、ふくらはぎに痛みがある場合は、その痛みのあるふくらはぎが軽くむくんでいる場合があります。また、異常な筋膜は超音波診断装置(エコー)では白い高輝度に映り、同部位は痛みや刺激に敏感に反応し、fascia自体の伸張性や周囲組織との滑走性(すべり)が低下している傾向にあります。

筋膜性疼痛症候群の治療法は?

膜性疼痛症候群の治療においては有効な内服薬はまだなく、治療により異常な筋膜を様々な方法で治療していきます。

筋膜リリース
痛みの原因になっている異常な筋膜を生理食塩水や局所麻酔薬の注射、鍼、徒手(手技)などにより解消する方法が一般的に取られています。このような方法を直接法(直接病変部を治療する方法)といいます。

リラクゼーション・認知行動療法
病変部を直接治療せずとも、病変部に影響する筋膜や関連組織を十分にリラックス(リラクゼーション)させることで、病変部から生じる痛みを緩和することもできます。これを間接法といいます。不安の除去や心理的効果は、全身の緊張緩和、あるいは病変部からの痛み刺激の脳の感じ方に影響し、症状緩和に寄与します。

筋膜性疼痛症候群の治療期間は?

通常はある程度の回数を、時間をかけて治療する必要があります。症状が強く日常生活が困難な痛みがある場合は数ヶ月にわたる入院治療を必要とする場合もあります。また、治療の開始が遅れると、脳、脊髄に痛みの信号が長期間に渡り入り続けることにより、脳、脊髄が痛みに敏感になるなど脳、脊髄の複雑な動きが関与してくるなど完治に時間がかかるようになりますので、少しでも早く治療をする事が大切です。

自分でできる治療方法

一般的に、筋膜性疼痛症候群を発症してしまった場合、自分自身でできる治療のみにより、短期間で痛みを取る事は難しいですが、自分自身でストレッチング・マッサージ(虚血性圧迫法 他)などを行う事により、症状が改善する場合もあります。

筋膜性疼痛症候群を早く治すにはどうしたらいいですか?

近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

モヤモヤ血管

肩・腕・肘・手

腰臀部股関節

 
 

 
 

その他

 
 
 
PAGE TOP