令和の痛み治療【変形性頚椎症】

変形性頚椎症とは?

頸椎には頭の重さ(成人で5~7kg)の他に両側の腕の重さがかかり、寝ている時以外は持続的に負担が加わる構造をしています。変形性頸椎症は、負担の加わる頸椎が徐々に傷んでくる状態です。頸椎が変形性の変化を起こすこと自体は、自然な加齢に伴う変化です。しかし、頸椎の変形に伴い、シビレや筋力の低下等、神経圧迫の症状が現れることがあります。脊髄が圧迫される場合を頸椎症性脊髄症、神経根(脊髄から出る神経の枝の付け根)が圧迫される場合を頸椎症性神経根症といいます。症状としては、障害された部位に該当する筋力の低下や知覚障害などがあります。

変形性頚椎症の原因はなんですか?

主な症状としては、頭頚部の可動域の悪化、首や肩の痛み、神経圧迫による腕や足への痛み・痺れや筋力低下などが生じます。これらの症状は普段からの不良姿勢で悪化することもあるため、頚椎症の症状緩和のためには首に負担のかからない正しい姿勢を身につける必要があります。例えば、よくみられる不良姿勢として猫背がありますが、この姿勢は腰に負担がかかるだけでなく、常に首を反っているような状態になるために頚椎の椎間関節に物理的なストレスがかかってしまいます。そのため、慢性的に猫背の姿勢をとることで頚椎椎間関節の軟骨はすり減りやすくなってしまうのです。また、骨棘と呼ばれる骨の変性が起きてくると、それが周りの神経を刺激して腕や手の痛みや痺れなどを引き起こしてしまうこともあります。あまりにも症状が強く日常生活に支障が出てきてしまうようであれば、手術をすることもあります。糖尿病や長時間の不良姿勢などにより頚部の循環状態が悪くなることや、肥満により頚椎の椎間板や椎間関節への物理的なストレスが増加することなどにより発症するリスクが高まってしまうとも言われているため、生活習慣の見直しが必要な場合もあります。

変形性頚椎症の症状はどんなものがありますか?

肩こりや頚部の運動痛が最も多い症状です。項部(くびの後ろ)の痛みや重だるさ、くびの疲れ、肩こりなどが特にきっかけもなく現われて来ます。また背部痛も比較的多い症状です。とくに、頸椎の動きに応じて変化する痛みで、横になって安静にしていると軽快します。また、長時間の同一姿勢や作業後に増悪します。頸部の痛みに伴う筋緊張状態が頭痛・吐き気などを誘発することもあります。激痛が突然起こることは少なく、症状の増悪・寛解を定期的に繰り返します。神経に圧迫が加わると、腕や足にも症状が現れてきます。

検査・診断はどのように行いますか?

エックス線検査によって、椎体に骨棘ができているか、椎間板が減り椎体と椎体の間が狭くなってクッション性が失われていないかなどの変化を確かめますが、高齢者なら誰にでも起こることなので、病気だと考える必要はありません。手足のしびれ・手足の動かしづらさ、しつこい痛みといった神経が圧迫されていると疑われる症状が出ているときは、頚椎症性脊髄症や腰部脊柱管狭窄症などかどうかを調べるために、MRI検査や下肢の血流の検査を行うこともあります。腰部脊柱管狭窄症は下肢の血流が悪くなる「閉塞性動脈硬化症」と似たような症状が現れるため、この病気でないかと、この病気を合併していないかどうかも確かめる必要があります(腰部脊柱管狭窄症の7%に閉塞性動脈硬化症を合併するという報告があります)。

変形性頚椎症と言われましたが整体で治るものでしょうか?

整体やカイロプラクティックはおすすめはしません。理由は「症状の軽減はあるかもしれないが、症状を悪化させてしまう方も多い」からです。実は整体師やカイロプラクターと名乗る人たちが持っている資格は3ヶ月程度の受講でとれてしまう民間資格なのです。日本では、柔道整復師や鍼灸師、マッサージ師といった資格は国が指定する学校へ3年間ほぼ毎日通い国家試験に受かったものしか名乗れません。解剖生理などの知識が一定以上なければ危険であると国が判断しているということです。例えばよく耳にするのは、首をポキっとならす骨格矯正、首をひっぱる牽引なんかです。上記したように、誰でも簡単に名乗れてしまうだけに、技術のレベルにとてもムラがあるのは想像がつくと思います。ここで問題なのは、頚椎はとてもデリケートな部位で知識や腕が未熟な人に施術されてしまった場合、脊髄という脳から直接伸びる太い神経を傷つけてしてしまう恐れがあります。以上のことを踏まえると、カイロプラクティックや整体といったものを安易に選ぶのは少し考えものです。

変形性頚椎症は、どういった治療方法がありますか?

最初は、基本的に保存的治療を行います。(安静、内服薬、頚椎カラー固定など)しかし、変形性頚椎症は、加齢により生じた変化であり、脊柱変形は悪化していきます。したがって、症状が出現し始めると、悪化の一途を辿ることが多いのは事実です。神経学的症状がしっかりある場合(感覚障害のみならず、運動障害、体幹平衡機能障害、歩行障害など)には手術療法が行われることがあります。

変形性頚椎症を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

治療後に注意した方がいいことはなんですか?

加齢により誰にでも生じる変化のため、予防によって防げる性質のものではありませんが、日常から正しい姿勢を心がけ、必要以上に重いものを持たないように注意をすることが、変形性脊椎症の進行を遅らせることにつながります。変形性脊椎症が進んだことによって起こる頚椎症性脊髄症を予防するには、うつぶせで寝ない、首を曲げた状態を長時間続けない、背中を丸めない、首を過度に回したりしない、といったことが注意点です。腰部脊柱管狭窄症は、ダイエットをして体重を増やし過ぎないこと、筋肉のこわばりをなくすために温めてストレッチを行うことなどが予防につながります。

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