令和の痛み治療【乳房切除後疼痛症候群】

乳房切除後疼痛症候群とは何ですか?

乳癌、子宮癌などの術後の後遺症としてリンパ浮腫という疾患が聞かれるようになりました。転移を防ぐ目的でリンパ節を切除したためにリンパの流れが悪くなり各々腕や脚にむくみが出てきます。切除しても多くの場合代わりのリンパ管、バイパスができるのでむくみません。そのため外科の先生は安心して切ってしまうのですが、実は手術した4人に1人はむくむと言われています。バイパスの力は所詮元のリンパ管より劣るため、過度な負担がかかると耐え切れないのです。
そして、乳がん術後のリンパ浮腫の患者さんの中にはよく腕や肩、腋の痛み、しびれ、腕が動かないなどの症状を訴える方がいらっしゃいます。患者さんからすれば、腕がむくんでいるからしびれる、痛い、動かないのではないかと思ってしまうようです。ですが多くの場合これは、むくみはリンパ浮腫、しびれ、痛みは知覚神経、動かないのは運動神経、及び手術瘢痕によるひきつれが影響しています。このような状態を最近、「乳房切除後疼痛症候群」と呼んでいます。

乳房切除後疼痛症候群にはどのような治療法がありますか?

現時点では確実な方法はないと言われています。痛みの専門外来では痛みの質を評価して、少しでも軽減するような方法を考えていきます。神経の痛みが主だと判断すると、神経の異常な電気を抑える薬などを処方します(リリカ、タリージェなど)。一方『脇や腕に締め付けるような痛み』、『胸にずきんとくる痛み』などでは、一般的な消炎鎮痛薬で抑えられない場合は医療用麻薬やそれに準じた薬も考慮します。漢方や、筋肉の緊張を和らげるような薬を使うこともあります。また最近では、腋や胸に分布する神経に直接神経ブロックを試みたという報告があります。しかしまだ遷延性術後痛になった後で神経ブロックの効果があるかどうかは明らかになっておりませんので、試験的におこなう痛みの外来は限られています。痛みだけでなく両腕がむくんだりひきつったりする場合は、両腕の装具やリハビリを行っていくこともあります。

乳房切除後疼痛症候群を早く治すにはどうしたらいいですか?

近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

モヤモヤ血管

肩・腕・肘・手

腰臀部股関節

 
 

 
 

その他

 
 
 
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