令和の痛み治療【ランナー膝(腸脛靱帯炎)】

腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?

ランニングにより発生しやすい、痛みの代表格がランナー膝(腸脛靱帯炎)です。陸上競技のランナーに多くみられ、足を酷使した際に膝の外側にズキズキとした痛みを感じるのが特徴です。特にランニングにおいては、着地時に体重の5倍ほどの負荷がかかる下り坂を走るときに痛みが増します。初期の段階では、ランニング中に痛みが出るものの、しばらく休むと治まる程度ですが、次第に運動後も痛みを感じるようになり、悪化すると慢性化して日常生活にも支障をきたすので注意が必要です。長距離の陸上競技以外にも、サイクリングやスキー、登山、バスケットボールなどでも発生します。ランニングを始めたばかりの人や筋力が弱い人、筋肉が硬くなっている人、O脚で体重が外側にかかりやすい人がなりやすいといわれています。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の症状は?

主な症状は、膝の外側やや上部にある大腿骨外果と呼ばれる骨の出っ張る部分に痛みが生じます。基本的には痛みが出ている部分に摩擦などのストレスが繰り返されることで生じるので、運動や仕事など膝に負荷をかけたときに痛みを生じます。スポーツで出ることが多いので、スポーツにおける重症度を例にとると、

【軽症】スポーツは可能であるが、その後痛む。
【中等症】スポーツのプレーには支障がないが、途中と後で痛む。
【重症】常に痛み、プレーに支障が出る。
【最重症】腱や靱帯の部分的な断裂。

このように、状態によっては動作に支障が出るほどのものもあります。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の原因は?

過度なランニング
腸脛靭帯炎は特に長距離ランナーに多く見られるスポーツ障害で、練習量が増加したり練習環境が変わる時期などに発症します。例えば、長距離ランナーが練習量を増やしたときや、初心者がマラソンの練習を始めたとき、マラソン大会への参加頻度が増えたときなど、膝に対する負荷が増えた時期に発症します。きちんと休息をとれば重症化することは少ないですが、十分に休息を取らずに運動を継続した場合、回復が間に合わずに炎症の起きている箇所にどんどんダメージが蓄積してしまい、より強い痛みへと変わっていきます。

内反膝(O脚)
腸脛靭帯炎の発症要因の一つに内反膝(一般的な名称はO脚)が挙げられます。内反膝の人は、太ももからすねにかけて内側に曲がっているため、膝の外側を走行している腸脛靭帯が大腿骨外側の出っ張りに擦れやすくなります。そのため、内反膝の人は腸脛靭帯炎を起こしやすいと言われています。

体が硬い・急に運動を始める
もともと体が硬い人の場合、腸脛靭帯も硬く伸びにくいことが多いです。腸脛靭帯の柔軟性が不足していると、大腿骨の突起を腸脛靭帯が余裕をもってすり抜けることができなくなり、膝を曲げたり伸ばしたりする際の摩擦抵抗を強めてしまいます。これにより、腸脛靭帯炎を引き起こすこともあるため注意が必要です。

また、健康のためにと思い立ち、これまで運動していなかった人が急に運動を始めるような場合にも腸脛靭帯炎は起きやすいです。このような場合、これまで運動していなかったために股関節外転筋力(脚を外側へ引っ張り支える力)が弱く、腸脛靭帯の柔軟性も低いため、腸脛靭帯炎を引き起こし易いのです。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の診断はどのように行うの?

膝の上部外側を押しながら、膝を曲げた状態から伸ばしてゆくと、痛みが出るのが特徴です。また、医療機関ではレントゲンやMRIによって診断を行います。腸脛靭帯はレントゲンには映りませんが、大腿骨の形や、O脚や加齢による膝の変形をレントゲンで確認します。MRIは腸脛靭帯やその周囲の炎症を見ることができ、また腸脛靭帯炎に似た症状を起こす外側半月板損傷を見分けるためにも有用な検査です。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療はどのように行うの?

保存療法が原則です。手術になることは稀です。第1に局所の安静、つまり、ランニングやステップワークなど過負荷となっている運動の休止が重要です。次に、大腿筋膜張筋など股関節外側部を主としたストレッチ、アイシングを徹底します。さらに消炎鎮痛剤の投与や、超音波などの物理療法を行われることが一般的です。一時的な使い過ぎであることが分かっている場合は、局所の安静をとることで解消することがほとんどです、それでも疼痛が改善しない場合はほかに原因があるので、その対処が必要になります。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)、復帰にあたっての注意点とは?

はじめはクッション性の高いトラックや芝生でランニングを開始すると良いです。早いスピードの練習から始めて、徐々にスピードを落として距離を伸ばしていくのが特徴です。遅いランニングの方が発症しやすいですので通常のリハビリとは逆になります。

モヤモヤ血管

肩・腕・肘・手

腰臀部股関節

 
 

 
 

その他

 
 
 
PAGE TOP